あちゃログ

チャージ症候群である息子の あちゃ が目の前に立ちはだかる様々な障害に挑む様子と日々の成長を綴ります。

あちゃくん 誕生!!

 

今回は、あちゃくんの誕生について綴りたいと思います!

 

【2018年2月】

それまでは、出産の日は立ち合いをして元気な初声をあげる我が子を嬉し涙しながら抱き上げるんだ!と勝手に色々妄想していました。

しかし、年末に心疾患の診断がされてからはそんな妄想していたことも忘れてしまい、「何故うちの子が」「何故こうなってしまったのか」など答えが出るはずもない問いを繰り返しては落ち込む日々が続いていました。

 

そんな2月のある日、私は仕事で出社しており、妻は定期検診で病院に行っていました。夕方くらいだったと思いますが、妻から着信があり、

 

「赤ちゃんの状態が良くないので急遽帝王切開することになった。すぐに病院に来て欲しい」

(赤ちゃんの首にへその緒が絡まり心拍が弱くなっていた)

 

と伝えられました。

 

この時それまでに色々考えていた何故何故や将来への不安などは全て吹き飛びました。

 

「とにかく妻と生まれてくる赤ちゃんが無事でいてほしい!」

 

その一心で祈りながら病院に向かいました。

 

病院に到着して少し待ちましたが、無事に出産!!!

 

立ち合いは出来ず、初声も聞けませんでしたが、妻と赤ちゃんの姿を見た時、大切な人が無事でいること、新たな命が無事に誕生したことに安堵したと同時に、今まで感じたことのないとても幸せな気持ちになりました。

 

そんな幸せな気持ちにさせてくれた妻と赤ちゃん(以下あちゃくん)に感謝を伝える間もなく、さっそく試練がやってきました。

 

事前の想定通り、あちゃくんは生まれた直後に心臓の疾患の影響から自力で十分な酸素を得ることが難しくチアノーゼを起こしていたため、気管内挿管をして人工呼吸をすることとなりました。

 

さらに、全身を調べた結果、以下の症状と病気が新たに発見されたのです。

 

・先天性心疾患(ファロー四徴症、肺動脈弁欠損)

→これらは事前に診断が出ていました。心室中隔欠損、肺動脈弁欠損、大動脈騎乗があることで、右心室から体血管へ酸素化されていない血液が流れ込みチアノーゼとなっていた様です。

 

・気管軟化症

→心疾患の肺動脈弁欠損により、血液が逆流してしまい右心室と肺動脈が拡大し、それが気管を圧迫してしまい気管狭窄を起こしチアノーゼに繋がってしまっていました。

 

・停留精巣

→精巣を包み込む袋はなんとなく形ついていましたが、確かに”もの”は下りてきてはいませんでした。

 

・マイクロペニス

→確かに小さかったですが、赤ちゃんであればこんなのものでは?と思いましたが、確かに同じ時期に生まれた子の”もの”を見ると、圧倒的にこじんまりしていました。

ただ、尿道はちゃんと形成されていたので、おしっこなどは問題なく出来るとのことでした。

 

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生まれた日のあちゃくん さっそく気管内挿管されてます

 

心疾患以外は異常がないと聞いていたので、あれよあれよと出てくる症状や病気に頭がついていきませんでした。

不安要素がまた増えてしまったわけですが、私はあちゃくんが無事に生まれてきてくれた事で考え方が変わったのか、

 

”生きてさえいてくれればいい”

 

そう思う様になっていました。

 

先生からも、他にも様々な病気がありますが、

「まずは命を繋ぐ為に最も大切な心臓について最優先で治療していきましょう」

という事だったので、心臓の治療に専念することとなりました。

 

そんなあちゃくんは、産まれた当日からNICU(新生児集中治療室)に入院です。

NICUでは新生児科をはじめ循環器科、心臓血管外科など治療に必要な様々な科の先生方がチーム医療であちゃくんをケアしてくれるとのことでとても安心しました。

 

改めて、出産前に疾患が見つけて頂き、この様な十分な準備をして頂けた事で母子ともに無事に出産を終えることが出来たのだと感謝の思いでいっぱいになりました。

 

 

さて、あちゃくんはこれから長いNICU生活に突入するわけですが、そこでも色々な試練が沢山待ち受けています。次回からはそんな試練の多いNICUの日々を綴っていきたいと思います!

 

お楽しみに!

 

 

 

あちゃくん誕生!! の少し前のお話を・・

 

今回は、あちゃくんが生まれる少し前のお話しを綴りたいと思います。

 

あちゃくんは2018年の2月に誕生したのですが、その3ヶ月前の12月まで遡ってみたいと思います。

 

【2017年12月】

出産予定日の3ヶ月前に当たるこの頃、妻は出産とその後の育児に備えて長年の勤め先を退職しました。ブラック気味な会社だったので、もうすぐ我が子に会える楽しみも相まってめちゃくちゃ喜んでいたのを思い出します。

 

かくいう私も、まるでサンタを待ち侘びる12月のこども達の様に、何の疑いもなくこれから訪れるであろう”明るい未来”を首を長くして待っていました。

 

この頃は、定期検診に通っていた近所の小さな産婦人科から出産予定病院である大きな大学病院での検診に移った時期でした。

 

年も暮れようとしていた12月26日、この大学病院でエコーを撮ったのですが、衝撃的な結果を告げられます。

 

「お子さんの心臓の形が変わって見えています」

 

不安など何ひとつなく晴れきっていた心に、一気に暗雲が立ち込めました。

 

「え?心臓の形が変わってるって病気ってこと?無事に生まれてこれるの?」

 

という不安と、

 

「いや、きっと見間違えで何ともないに決まってる。大丈夫!!」

 

という願いにも近い感情が入り混じっていたのを記憶しています。

 

結局その日は何も分からず不安を抱えたまま、子供医療センターで詳しく検査することとなりました。

 

 

2日後の12月28日、子供医療センターにて超音波検査で胎児診断を実施してもらいました。

胎児心エコーで所見があり、結果として

 

・ファロー四徴症(詳しく知りたい方はこちら

・肺動脈弁欠損(詳しく知りたい方はこちら

 

と診断されました。

 

また、これらの疾患があると出生直後に呼吸困難や低酸素血症となる可能性もあるため、万が一に備えて気管内挿管や人工呼吸器の準備、新生児科をはじめとして心臓血管外科や循環器内科などチーム医療で対応できるようこの病院で計画的に出産することとなりました。

 

出産までまだ2ヶ月あったのでその間は「なぜうちの子が・・」とか「心臓に病気があると将来運動制限されちゃうんだろうか・・」などまだ見ぬ我が子の将来に不安が募るばかりで精神的に辛い日々が続きました。(妻もこの時期はよく泣いていたな・・)

 

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心を落ち着かせるために妻と行った大桟橋(12月29日)

 

快晴なのにこの2人にはどこか味気ない景色に見えていました。

 

また、年末年始だったこともあり忘年会や親族との集まり等がありましたが、流石にまだ気持ちの整理がついていなかったのでいくつかは不自然に断った気がします。こんなに誰にも会いたくないと思ったのは初めてでした。

 

一方で、出産予定日が近づくに連れて、もしこの疾患が出産当日まで見つかっていなかったら、あちゃくんの命が危険にさらされていたかもしれない・・と考えるとむしろこのタイミングで見つかって良かったと思うようになりました。(今では見つけてくださった大学病院の先生には感謝しかありません)

 

ということで、次回ついにあちゃくんが誕生します!!

 

お楽しみに!!

 

 

 

あちゃくんはチャージ(CHARGE)症候群

初めまして。オセロットと申します。

 

人生初ブログであり、初投稿になります。

 

何から書こうか迷いましたが、まずはこのブログを始めるきっかけとなった

息子(あちゃくん)の病気について書こうと思います。

 

現在(2021年9月)のあちゃくんは既に3歳半なので、この投稿の後は生まれた頃からの出来事を徐々に綴りたいと思います。

(やろうやろうと思っていたら3年半分も溜まってしまいました。。)

 

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現在(2021年9月)のあちゃくん

 

あちゃくんは2018年2月に”チャージ(CHARGE)症候群”という先天性の疾患を持って生まれてきました。

 

このチャージ症候群は体の様々な部分に特徴的な症状が認められる先天性の疾患で、大きく以下の6つの特徴があり、それぞれの頭文字を取ってチャージ(CHARGE)症候群と名付けられています。(詳しくはhttps://www.nanbyou.or.jp/entry/4138が参考になると思います)

 

あちゃくんの症状と現時点(2021年9月)での状況を合わせて簡単に紹介したいと思います。

 

①C (coloboma: 網膜の部分欠損 (コロボーマ))

→幸いにもコロボーマの症状はないと言われています。

 

②H (heart defects:先天性心疾患)

肺動脈弁欠損およびファロー四徴症がありました。

生後約6ヶ月の時に、ラステリ手術で人工血管および弁を装着し心室中隔欠損は閉鎖しているので一応根治しています。ただ、将来的に人工血管の交換は必要になるだろうと言われています。

 

③A (atresia choanae: 後鼻腔閉鎖)

閉鎖および狭窄はしていないと言われていますが、経管栄養で鼻からチューブを入れる際に右側が通りにくいので少しは狭窄があるのかもしれません。

 

④R (restricted growth and development: 成長障害・発達遅滞)

身体的・知的どちらも遅れがあります。ハイハイは1歳半頃、歩行は2歳半ごろからで、現在もフラつきながらという感じです。知的発達は3歳半時点で1歳半程度と言われています。

 

⑤G (genital abnormality: 外陰部低形成)

小陰茎停留精巣がありました。

胃ろう造設時にお腹に精巣が発見されたため、今後下ろすか検討中です。

 

⑥E (ear abnormality: 耳奇形・難聴) 

内耳奇形(両耳蝸牛低形成、左蝸牛神経管狭窄)、中耳奇形 (耳小骨が周囲の骨と癒着)があります。重度難聴で脳波聴力検査では両耳100db程度でした。

生後6ヶ月くらいの時に両耳が難聴であることが分かり、それからすぐに両耳補聴器を装着しております。大きな声で呼ぶとたまに反応するといった状況で、人工内耳装着は検討中です。コミュニケーションは主にジェスチャーや簡単な手話で行っています。

 

あちゃくんはこの他にも、摂食障害(3歳半まで経管栄養でその後胃ろうを造設)や若干の左顔面神経麻痺(軽度?)などもありますが、細かいところはおいおいお話しさせて頂ければと思います。

 

 

ひとまず、あちゃくんの病気サマリーはこれくらいにさせて頂きます。

 

「いったい何個あるの?!」と声が出てしまうくらい多くの疾患がありますよね。

(どれも疾患が1つだけなら忘れないのでしょうが、正直これだけあると治療の優先順位が低いものは忘れてしまう時があります。笑)

 

しかも1つ1つが生きていく上で重要な機能に関する疾患なので、それらを乗り越えるために大変な手術を多く経験しなければならないのですが、これもチャージ症候群の特徴と言えるのかなと思います。

(もちろん、全てのチャージ症候群の子供たちが同じ症状というわけではありませんが)

 

 

わたしは、あちゃくんがこの病気であることを知った時に、

 

”きっと一昔前だったらこのような疾患を持った子は生きられなかったんだろうな”

 

と思いました。

 

それほどこのチャージ症候群は”人が生きていく上で重要な機能に多数の疾患がある”病気なのです。

 

それでも、小さなからだで1つ1つ困難を乗り越えていくあちゃくんの姿は、きっと誰かにとっての勇気や希望になるんじゃないかと信じていますので、現代の医療の進歩に感謝しつつ、しっかりと日々の奮闘や成長を綴っていきたいと思います。

 

文才が乏しく稚拙な文章となってしまっていますが、少しずつ成長するよう頑張りますので温かく見守って頂けると幸いです。

 

今後ともよろしくお願いします!!